赤ちゃん主導の離乳『BLW』①
離乳は思い出深いものです。我が子が初めて食べ物を口にする瞬間をカメラに収め、味覚を感じ表情を変える姿を楽しむ方も多いと思います。
それと同時に、「離乳食って大変そう」「野菜をピューレにしたらほとんど量にならなくて絶望した」と離乳食へのハードルを感じる大人も多いと思います。
今回紹介する『BLW』はイギリスで最初に提唱された離乳法「Baby-Led-Weaning」の略語。
要するに調理方法を工夫したり、親が赤ちゃんの口にスプーンで食べ物を運ぶ必要はなく、赤ちゃんの食べたいものを赤ちゃん主導で食べさせるのです。
大人の食事に合わせて、3〜5品提供します。
避けるべき食品、窒息しやすいものを理解すれば、あとは特別な工程を必要としません。大人と同じように食卓につき、同じ食べ物を楽しくいただきます。
調理の手間や食べさせる工程があるために、赤ちゃんの離乳食は自分達の食事時間とはズラして、「食べさせること」に集中している親もいます。
これは孤食につながるだけでなく、「早く食べて」「こんなに大変な思いをして作ったのに食べてくれない」といったストレスにもつながります。
助産師の私が妊娠中、(いや妊活中から?笑)思うことは心の余裕が大切だということ。
子供を思うがあまり頑張りすぎると、その分うまくいかない時にショックを受けます。余裕がなければストレスに対しても弱くなります。
「ストレスになるくらいなら、母乳育児にこだわる必要はないです。ミルクでもなんでもいい、両親が笑顔でいる方が、赤ちゃんの発育にはよっぽど大切です」とお伝えすることは少なくありません。
仕事柄、新生児期の親子と関わることが多いので授乳の話になってしまいましたが、離乳食も同じだと思います。
手を抜いていい。頑張らなくていい。
赤ちゃんは、6ヶ月ごろに母からもらっていた栄養だけでは不足し、自分で食べて消化する能力が備わってきます。
食べ物に興味を示したり、唾液が増えてくるのも準備が整ってきた証になりますね。
WHOは6ヶ月、厚労省は5〜6ヶ月を離乳食の開始時期としていますが、あくまで目安に過ぎません。
この頃の赤ちゃんは好奇心旺盛で、初めは「食べる」より「遊びながら学んでいる」状況です。食べる量より破棄する量が多くなる日もあれば、食べずに吐き出してしまうこともあります。
しかし、赤ちゃんにとって五感を使って食べることを学ぶ大切な時期です。親がスプーンで食べさせることから始めても、いずれ手掴みで散らかす時期は来ます。始めから赤ちゃん主導で食べる環境を作ることは、あくまで「散らかる時期が前倒しになるだけ」です。
写真のような大きさ、形を意識しましょう!
(離乳開始時期の赤ちゃんはあまり小さすぎると手の中に握り込んでしまいます。「柄」の部分が重要になってきます)
BLWのメリットとして
- 赤ちゃんの咀嚼能力の発達
- 手指の巧緻性の向上
- 手と目の協調運動の発達
が挙げられます💁♀️
実際にBLWを実践した知人の子は、消化機能や発育は順調で、保育園に入ると「手先が器用だね」と褒められることが多かったそうです💓
次の記事では、『BLW』にまつわるQ&Aとレシピの紹介をします🥂✨
・BLWとアレルギー
・窒息のリスク
・いきなり固形で負担はかからない?
・何回食から始める?
・途中からBLWに切り替えられる?
・シチューのレシピを例に
参考、引用
BLWをはじめよう!
一般社団法人日本BLW協会著