妊娠中のヨガと赤ちゃんの発育について*研究紹介
ハイリスク妊娠中の子宮胎児·胎盤循環のヨガの効果
理学療法士の粕谷です*私は病院に勤めていた臨床時代、産婦人科にて妊婦さんをメインに見ており、妊娠中の運動や呼吸に対して介入しておりました。
その頃から、ヨガのようなボディワークの運動は、妊婦さんにとってとても良い効果があるなと感じておりました!
今回はヨガとお腹の中の赤ちゃんの発育について、ひとつの研究を紹介しますね♡1)
⚠️マタニティヨガを始められる方は、必ず医師に確認いただいた上で行なってください。
また、ヨガに限らず運動中に以下のようなサインがあった場合、ただちに運動をやめてかかりつけの医師に連絡をしてください。2)
・性器出血
・腹痛
・定期的に生じる痛みを伴うお腹のハリ
・腟から水のようなものが流れる(破水の疑い)
・安静時の呼吸困難
・治らないめまい
・頭痛
・胸痛
・急な筋力の低下
・ふくらはぎのむくみや痛み
インドの研究グループの報告
妊娠中のヨガは、単純なウォーキングによる運動よりも、胎児の成長を向上させる効果を持つという結果が出た、ということを報告されました。予防医学を専門とするオンライン医学誌【アドバンシズ・イン・プリベンティブ・メディシン2015年号】に掲載されています。
正常に機能しない胎盤形成と不十分な栄養膜細胞層は、多くの妊娠合併症の原因となります。妊娠初期の子宮動脈で血液が流れにくくなる場合もあるとのこと。
そこで、何らかのリスクを抱えている妊娠中の女性59人を対象に、
①ヨガを行うグループ27人と、
②ウォーキングを中心とする出産前エクササイズを行うグループ32人
を無作為に分けて比較しました(ランダム化比較試験)。
ヨガのグループには、ヨガのセッションを妊娠12週~28週に、1日1時間、1週間に3日、行われました。
ウォーキンググループは、基本的な出産前エクササイズと30分のウォーキングを朝と晩に実施しました。
そして妊娠12週、20週、28週にそれぞれのグループを計測をしました。
28週目の計測では、ヨガのグループのほうが、
✔︎胎児の頭のサイズ(児頭大横径、頭囲)
✔︎太ももの骨の長さ(大腿骨長)
✔︎推定胎児体重
において統計学的に有意に高い数値を示しました。
さらに、右の子宮動脈、胎児の中大脳動脈については抵抗が統計学的に有意に低く、血液の流れやすい状態になっていると考えられました。
また、ヨガグループの方が明らかに、妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病、子宮内胎児発育遅延が少なく、アプガー指数(※)は高いスコアということがわかりました。(※出生直後の新生児の状態を評価するスコアです。 1皮膚色、2心拍数、3刺激による反射、4筋緊張、5呼吸状態の5項目に対し、0~2点のスコアをつけます。 10~8点は正常、7~4点は軽症仮死、3~0点は重症仮死と判定。)
総じて、ヨガ・グループの方が胎児の成長、子宮、胎児、胎盤の循環が向上したと言える、とのことです。
いかがでしたでしょうか*ヨガは呼吸との連動をとても大事にする動きが多く、またゆったりとした全身運動でもあるので、お母さんの呼吸が深くなりリラックスもしやすく、それが赤ちゃんにもとても良い影響があるのかもしれませんね*
妊娠中に運動については、産婦人科医の重見大介先生がyahoo記事にもまとめてくださってますので、ぜひ読んでみてください↓
また、今回ご紹介した内容は一つの研究報告で、必ずしも全ての人にとってヨガがベスト!というものではございません。ですが、重見先生の記事にもあるように、健康な妊婦さんで先生からの許可が得られていたり日常生活に制限が設けられていない方は、妊娠中に運動をすることのメリットはとても多く報告されています*
当院では理学療法士・ヨガインストラクターによるグループでのマタニティ・ヨガを毎月開催しております。助産師も在籍する治療院ですので、安心してご利用いただけますと幸いです*妊娠中のちょっとした不安も、参加者さん同士で共有して解消していきましょう!
グループではなく個別でのマタニティヨガ、整体をご希望も、ご相談くださいませ*
安全なお産に向けた身体づくり&産後スムーズに回復するためにリラックスのできるポーズを確認しながら、ゆっくりと行わせていただきます*
もちろんヨガ未経験者の方も大歓迎です!!未来のママ友作りの交流の場にもぜひ💕ご参加お待ちしております♪
さらに!なかなか保健室へ来られない方のために、オンラインでのご参加も大大大歓迎です✨
オンラインご希望の方は、決済メールをお送り致しますので、女性とこどもの保健室公式LINEにメッセージをお願い致します*
Zoomのリンクもお送り致します🥂
📝詳細
日時:2月26日(日)11:30〜12:15 (託児無し)
場所:女性とこどもの保健室
料金:1500円 オンライン500円
人数:4人
持ち物:タオル/飲み物/動きやすい服装/母子手帳
〈注意事項〉
・妊娠16週以降であること
・医師に活動制限等指示されていない方
参考文献
1)Effects of Yoga on Utero-Fetal-Placental Circulation in High-Risk Pregnancy: A Randomized Controlled Trial. Advances in Preventive Medicine Volume 2015 (2015), Article ID 373041, 10 pages.