介護予防

エストロゲンと骨盤臓器脱

エストロゲンは、女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育、維持させる働きをもっています。 女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンです。

身体の多くの臓器、組織にエストロゲンの受容体があり、様々な代謝に関与しています。

特に女性の生殖器、尿路の組織には高い密度で受容体が存在しています。

そのため、病気やストレスなどによるホルモンバランスの変化や、更年期症状によってエストロゲンが低下・欠乏することで、
生殖器、尿路組織が大きな影響を受けます。

最近では、閉経関連尿路生殖器症候群(GSM)と総称され、

エストロゲンの長期欠乏は、大きな分類として認められつつあります。

更年期だから、生理が終わったから、もう年だから、で済まされることではなく、
人生100年時代を迎えた今、更年期以降と人生も長くなってきています。
女性ホルモンが減ることで起こる症状で、旅行や趣味が制限されることのないよう、
今のうちから出来る対策を考えてみましょう✊️

 

・骨盤臓器脱
・排尿困難
・腹圧性尿失禁

医学的にこれらに対するエストロゲン投与は効果的と考えられています。
ですが、エストロゲンの欠乏だけでなく、加齢・肥満・経膣分娩(普通分娩)など多くの因子が関与しています。

エストロゲンと骨盤底筋組織との関連女性ホルモン投与と骨盤臓器脱への影響についての研究では、骨盤臓器脱の症状がある方に、膣へのエストロゲンクリームを塗布したところ、

膣の上皮、筋層ともに肥厚を認め、

骨盤底の支持強度が強いタイプⅠのコラーゲン量は有意に増加していた、

 

という報告があります。1)

これはつまり、エストロゲンクリームを外部から塗布することで皮膚から吸収され、皮膚や筋肉の厚みを出してくれるということです。

またエストロゲンは、皮膚やそのほかの組織の弾力性にとても大切な【コラーゲン】の分解を抑えてくれるという報告もあります。2)

尿もれや臓器の下垂感など、骨盤周りのお悩みがある方は、

骨盤底筋のトレーニングと合わせて、皮膚や筋肉の状態に大切な【エストロゲン】の作用について、知っておくと良いかもしれません。

 

参考文献
1)Rahn DD,et al:Effects of preoperative local estorogen in postmenopausal women with prolase:a randomaized trial.J Clim Endocrinol Metab 2014;99:3728-3736.
2)Zong W,et al:The amount and activity of active matrix metalloproteinase 13 is suppressed by estradiol amd progesterone in human pelvic floor fibroblasts.Biol Reprod 2009;80:367-374.

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