産後の姿勢の変化についての研究*
さて、前回の続きで今回は産後の身体の変化についての研究紹介です*
妊娠中に生じた姿勢の変化の影響が産後も継続して見受けられ、とくに胸・腰椎の弯曲が平坦化していたり、骨盤が後傾したりしています。1)
これは、保健室に通われている方のほとんどに見られる姿勢のですが、整体施術1回で変わります。ただ、これを維持するにはご自身のセルフケアが不可欠。
そして産後早期では67%の褥婦が腰背部痛を経験しています。2)
立位で子供を抱く姿勢を、矢状面および前額面(前と横)から見ると、
身体の前方で抱いた場合、上部体幹が後方へ偏移したいわゆるsway-back(胸椎後弯-腰椎平坦)の姿勢となりやすく、
(理学療法士のためのウィメンズヘルス運動療法より)
左右いずれか一方の体側で抱いた場合(片手抱っこ)は、一側の上肢で抱えることが多く、脊柱および骨盤が左右へ偏位し左右非対称な姿勢をとりやすくなります。子供を抱いた状態での歩行時にも同様の姿勢変化がみられます。3)4)
(理学療法士のためのウィメンズヘルス運動療法より)
妊娠中〜産後の姿勢変化は、抱っこや抱っこしたままの姿勢にも悪影響があり、
それが腰痛に繋がりやすくなっていることが考えられます。
今痛みが無くても姿勢が明らかに変化した自覚がある方は、早めのケアがいちばんです*
参考文献
1)Gilleard WL. Crosbie J. et al Static trunk posture in sitting and standing during pregnancy and early postpartum. Arch. Phys. Med. Rehabil. 83 (12) : 1739-1744. 2002.
2)Östgaard HC. Andersson GB :Postpartum low-back pain. Spine 17 (1) : 61-65, 1993.
3)Iron JM Irion GL : Ⅳ Medical and musculoskeletal lifespan issues in women’s health 18.Women in the workplace. Lippincott Williams& Wilkins. 2010, pp386-419.
4)Junqueira LD, Amaral LQ et al : Effects of transporting an infant on the posture of women during walking and standing still Cait Posture 41 :841-846, 2015