妊娠中のケア

妊娠中の筋力低下と、分娩様式によるダメージについての研究*

妊娠中、筋力はどう変化するでしょう?増える?減る?維持?

研究によると、妊娠期の筋力は、妊娠前と比較して低下するとされています。妊娠初〜中期の妊婦群と非妊婦群の筋力(握力・背筋群・膝伸筋)を比較すると、握力には差がみられなかったが、妊婦群では背筋群と大腿四頭筋に筋力低下がみられています。また妊娠期では、身体の重心の動揺が増加したり、身体が後ろに傾きやすくなる体幹後傾位、関節を構成する構成体の緩み、下肢の筋力の低下が挙げられており、姿勢をコントロールする姿勢制御能力の低下がみられるようになります。1)

(理学療法士のためのウィメンズヘルス運動療法より)

その状態で十月十日過ごしたのちに迎える分娩。別の研究では、出産様式を、帝王切開・自然分娩・器械分娩(吸引分娩・鉗子分娩など)の3群に分けて骨盤底機能の変化について検証した研究した結果、帝王切開では、出産後において安静時膣圧のみが有意に低下したのに対し、自然分娩および器械分娩では、安静時膣圧、最大筋力、収縮持続力のすべてが優位に低下していました。産後6週における安静時膣圧、最大筋力、収縮持続力(筋肉を働かせ続けられる力)について、帝王切開と自然分娩、帝王切開と器械分娩の群間には優位差が認められ、自然分娩と器械分娩の群間には有意差は認められませんでした。2)

つまり、自然分娩・器械分娩が安静時膣圧・最大筋力・収縮持続力の全てにおいてダメージを受けやすく働きにくくなるということが言えます。

これだけでも、出産は全治8ヶ月の交通事故と言われる理由、そして産後ケアがいかに大切なのかということがわかりますよね*

次回は産後の身体の研究についても紹介していきます。

 

参考文献

1)Dumas. Geneviève et al : COMPARISON OF STRENGTH BETWEEN PREGNANT AND NON-PREGNANT WOMEN.www.asbweb.org
2)Hilde G et al : Impact of childbirth and mode of delivery on vaginal resting pressure and on pelvic floor muscle strength and endurance. Am J Obstet Gynecol 208 el-7, 2013

 

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