妊活

人生最初の1000日。どんな女性も男性も、妊娠には準備が必要です。

今日は妊娠前のお話🌸
ユニセフは発表しています。「胎児期から2歳になるまでの1,000日間が、その後の成長の基礎を築くとても重要な期間」と※1)。この時期に適切な栄養を摂ることができないと、命やその後の健康、脳や身体の発達に不可逆的で深刻な影響が生じる可能性があるとされています。

 

 

「日本のプレコンセプションケアを考える」パネルディスカッションでは、(※2)

✓6%の赤ちゃんが早産で生まれ

✓10%は低出生体重児(2500g未満)で生まれ、

✓2-3%は先天異常(構造の異常)をもって生まれている。

✓周産期死亡(22週~生後1週間以内の赤ちゃんの死亡)36.4%が母体の病態による影響、あるいは母体の妊娠合併症による影響が原因。

✓5人に1人は帝王切開。30年前のおよそ3倍。

  

これらは、妊娠してからのケアでは遅すぎるのが現実 

 

 

先天異常を予防するためまずに知っておきたいこ

 ✓心臓は受精後22日に拍動を開始する

 ✓神経管は受精後28日までに閉鎖する

 ✓口蓋裂が閉じるのは受精後56

 ⇒ 催奇形の臨界期は受精後約2週~8週くらい

 

【先天異常の外的要因となるもの】

 ✓母体感染:風疹、ヘルペス、パルボ、サイトメガロウィルス、トキソプラズマ、梅毒など

 ✓母体疾患:高血糖、アルコール中毒、肥満、葉酸欠乏など

 ✓薬剤:サリドマイド、抗精神薬、抗てんかん薬、ワルファリン、メチマゾール、ビタミンA誘導体、DESなど

 ✓化学物質:メチル水銀、ダイオキシン、有機溶媒、農薬、金属ほか

 ✓食品:酒、タバコ、他                        

 (赤字は防ぐことが出来るもの)

 

【肥満、過体重、やせ】

 ✓過体重児出産、帝王切開、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病の頻度を上げる

 ✓妊娠中に体重増加を抑制しても、その効果は限局的。

 ✓妊娠前に適切な体重にコントロールできるとこれらのリスクは減少する

 ✓やせは切迫早産・早産、低出生体重児分娩のリスクが高い

 

【慢性疾患】

 ✓糖尿病、甲状腺機能異常、自己免疫疾患、高血圧症、慢性腎疾患、抗リン脂質症候群

 

【感染症】

 ✓母体感染:B/C型肝炎、HIV感染症、性感染症、麻疹など

 

【その他】

 ✓遺伝疾患

 

妊娠前からもっているリスク因子が妊娠・出産・赤ちゃんの健康に影響します。

先進諸国において、妊娠死亡率・周産期死亡率は劇的に減っていますが、先天異常、児の未熟や母体合併症に伴う乳児死亡は減っていません。

妊娠前の身体の状態、栄養状態、生活習慣が妊娠結果に影響します。これを改善する勧告が海外で出されました。

✓米国疾病予防管理センター(CDC)(2006)

✓世界保健機構(WHO)(2013)

 

では具体的にどのような準備ができるのか?
次回はそこをお話いたします。

 

参考文献:

※1) UNICEF Nutrition Report IMPROVING CHILD NUTRITION 2013

※2) 令和元年度厚生労働科学研究費補助金(女性の包括的支援政策研究事業)

「保険・医療・教育機関・産業等における女性の健康支援のための研究」研究班によるプレコンセプションケアを考える会
〜若い男女の健康・次世代の健康を考える〜

「日本のプレコンセプションケアを考える」パネルディスカッション資料

 

 

 

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