産後の尿失禁①
産後ケア、復習シリーズ担当の理学療法士の小山です。前回のブログでも書きましたが、産後、尿漏れに悩んだ私ですが、いつか自然に治ると信じていました。産後3か月で軽快しない腹圧性尿失禁の約92%は、産後5年経過しても持続するという驚くべきデータがありました…。
まずは尿失禁についておさらいしていきたいと思います。
尿失禁を「ふいに尿がもれたと主観的に感じた状態」とすると、①腹圧性尿失禁 ②切迫性尿失禁 ③混合性尿失禁の3つに分類されると言われています。
①腹圧性尿失禁
咳、くしゃみ、小走り、ジャンプ、スポーツ、大笑いなど、腹圧が上昇したときに尿が漏れるものを指します。尿失禁全体の約50%
〈原因〉妊娠・出産、加齢などによる骨盤底筋の筋力低下
②切迫性尿失禁
急に起こる強い尿意で、我慢できずに尿が漏れるのを指します。尿失禁全体の約11%
〈原因〉脳血管や脊椎疾患などによる神経因性の場合と骨盤底筋の筋力低下などによる非神経因性のものがある
③混合性尿失禁
①と②の要因が混合したものを指します。尿失禁全体の約36%
①と③の合計の割合を見ても産後の尿失禁の多くが腹圧性で骨盤底筋の弱化が原因だということがわかります。
骨盤底筋がうまく働かないと、腹圧がかかった時に尿道が前膣壁とともに下垂し、膀胱が開きやすくなるのです。それなので、産後の尿失禁の軽減のためには骨盤底筋トレーニングが有効なんです🌱
トレーニングを始めてから効果が出現するまでには3か月は必要だと言われていますので、気長に続けることが大切です。
次回はトレーニング内容のおさらいと生活面で気をつけることを書いていきます!
引用文献 ウィメンズヘルス運動療法、妊産褥婦の尿失禁に関する実態と関連要因について(j-stage)